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京都府立大学 大学院

応用生命科学専攻


多様で学際的な生命科学研究の拠点

応用生命科学専攻は、人類が対面しているさまざまな生命科学分野の課題に取り組み、人類福祉の向上と地球環境保全のための新技術の開発を目的とした教育?研究を行っています。本専攻では生命や環境に関わる物質を分子レベルで扱う生命物質科学、微生物や動植物の機能を解明し応用する科学、食の基礎となる食糧生産の科学、生活者としての人までを対象とする食?身体運動の科学など広範な科学領域の知識と技術を駆使して研究し、これらの分野で指導的な役割を担うことのできるエキスパートを育成いたします。

応用生命科学専攻の科目群の図


求める学生像

生命科学に対する強い関心と基礎学力および研究課題に果敢にチャレンジする意欲を持ち、 将来は専門的職業人?研究者として社会に積極的に貢献しようとする情熱のある人材を広く求めます。また、社会人については、これまで培ってきた生命科学に対する強い関心と基礎学力を有することに加えて、社会での経験を活かしさらに高いレベルでの社会貢献をめざす人を求めます。

授業科目

基盤科目54科目(各科目群提供科目)、プロジェクト科目(食農技術論、生命反応化学特論、 植物バイオテクノロジー特論、バイオビジネス論、英語コミュニケーション演習 ほか)

博士前期課程  
専門種目(研究室)における演習(ゼミ)?実験(修士論文研究)に 加え、選択した授業科目から必要単位数を修得し、修士論文審査を 受けます。
取得できる学位:修士(農学)、修士(学術)、修士(理学)

博士後期課程  
専門種目における特別演習および特別研究の単位を修得し、各科目群が定める博士学位授与審査基準を満たしたうえで、博士論文の審査を受けます。
取得できる学位:博士(農学)、博士(学術)、博士(理学)

専門種目?研究内容

科目群 専門種目 研究内容
植物生産
テクノサイエンス
植物育種学 作物の品種改良は、人口増加や気候変動に対応した食料生産のほか、生活の質の向上にも重要な役割を担っている。本研究室では、コムギ等を材料にゲノムや遺伝子情報を利用した遺伝育種的研究を行っているほか、ゲノム編集等による新たな花色?草姿の作出と有用形質の実用化研究に取り組んでいる。
野菜花卉園芸学 野菜?花卉の栽培技術?育種技術の高度化を目指す。栄養繁殖性野菜の花成誘導技術、葉菜類の結球の制御機構、花卉の自然突然変異の高度利用技術、養液栽培や植物工場における生産の効率化および品質向上技術、トマトの栄養繁殖法など、生産に直結する課題について、生態から分子レベルまでの総合的観点から教育研究を進めている。
果樹園芸学 安全安心で高品質な果実生産技術の確立を目指した研究を進めている。果樹園内の土壌微生物を用いた持続型栽培の促進、インドネシア?ウガンダ?ブラジルの果樹園土壌に関する研究、常緑果樹及びイチゴのポストハーベスト病害の防除、バラ科果樹の生殖機構の解明、有用形質の遺伝解析と新規果樹の育種など、国内外の果樹生産を取り巻く課題を解決するための包括的な教育研究を行っている。
細胞工学 本研究室では、花や野菜の形作りや病気の抵抗性などを遺伝子?細胞レベルで明らかにし、より形質の優れた作物の作出に貢献することを目的としている。研究対象は農作物(ハナナ、カブ、ダイコン、茶、ニンジン、ミント、鹿ヶ谷カボチャ等)や花(サギソウ、アサガオ、シロイヌナズナ)、海藻(アカモク)やポプラ、虫こぶなど、研究目的によって多岐に渡る。植物の生存システムを分子レベルで理解するための教育研究を行う。
資源植物学 農耕地における多様な植物資源を有効利用した持続的?安定的な農業生産システムを構築することを目的とし、特に附属農場のフィールドを活用し、作物資源の有効利用を図る研究、雑草の遺伝?生態的特性の解明に関する研究、果樹を始めとする永年性作物においては樹種の生理?生態的特性を活用した品種改良を行うとともに栽培法を確立するための基礎および応用的研究を行う。
農業経営学 農村社会の維持と地域資源の管理手法、有機農業および環境保全型農業の経営と普及と政策、地域ブランド商品の育成、ならびにグリーンツーリズムとコミュニティビジネスの経営等について教育研究を行う。
応用昆虫学 昆虫の系統分類学?生理生態学?進化学、害虫の生活史、天敵昆虫の利用による害虫防除、水生?半水生昆虫による環境の評価、ならびに絶滅危惧種の生態と保全について教育研究を行う。
食保健学 栄養科学 培養細胞、実験動物や健常者を対象とした静脈?経腸栄養製品の開発に関連する基礎栄養学研究、体力向上を目的とした運動栄養学的研究、さらに傷病者を対象とした臨床栄養学研究に取り組んでいる。
食品科学 食品のテクスチュアと食品の組織構造との関係、食品の加工?貯蔵中における物性変化、食品を構築している生体高分子の分子特性の解明に関する食品物性研究、ならびに食品に含まれている三次機能成分の探索とその作用機序を解明する食品機能性に関する教育研究を行なっている。
食環境安全性学 食品や生活環境中に存在する化学物質の安全性評価及び健康障害因子の評価法の開発、その障害発生機序及び予防法に関する研究、また酸化ストレス、低酸素、低栄養などがもたらす健康障害発生機序及び予防法に関する研究、さらに細胞内寄生菌など微生物に対する宿主防御機構に関する研究を行っている。
食事科学 国内産大豆、小豆、エビイモなどの食品の調理?加工特性について、「おいしさ」をキーワードに、生産者および実需者と協同で研究を行う。また、ICT(情報通信技術)やアクティブラーニングなどの様々な教育的手法を導入しながら、栄養教育プログラムの開発を行う。
健康科学 ライフステージを通した健康増進と疾病予防および改善を目的として、食生活や運動などの生活習慣及び健康状況について栄養疫学的、臨床的および分子生物学的方法等を用いた基礎的、応用的研究を行う。
植物分子生物学 遺伝子工学 植物の環境ストレス応答の分子機構の解明、イネの種子形成の分子機構および種子貯蔵物質の合成蓄積機構の解明、植物の有用遺伝子の探索および遺伝子改変による作物の品質向上、遺伝子組換え技術を用いた有用物質生産系の開発等に関する教育研究を行う。
植物病理学 病原微生物と植物の相互作用を解析し、植物病原菌の感染機構や植物の耐病性機構、作物保護に関する技術開発について教育研究を行う。
植物分子生物学 地球生態系の土台を構成する植物の機能発現、及び環境との相互作用について遺伝子レベルの研究を行っている。特に、植物の形態形成、ストレス応答機構、植物と昆虫他の生物との生物間相互作用などに注目し、分子生物学、生化学、細胞生物学などの立場から研究している。また、オルガネラ機能を利用した物質生産技術、環境修復技術などの応用研究にも取り組む。
植物ゲノム情報学 植物ゲノムの成立?維持?機能調節?進化の各メカニズムに関する教育研究を行っている。なかでも、DNA修復機構と転写メカニズムの関係や、ゲノムに含まれる遺伝子の構成の進化的変遷について、重点的な解明と情報解析技術の開発を進めている。
植物成分化学 主に植物成分について,有機化学?有機合成化学を基盤とした手法を用いて、分子レベルで生物機能を解明する研究を展開している。糖鎖や配糖体の化学構造と生物学的機能との関連については継続的な研究を行っている。
動物機能科学 分子栄養学 体内代謝や機能応答の分子レベルでの解析、栄養素あるいはその代謝産物の細胞間や細胞内情報伝達への関与の仕方、食品の栄養機能特性とその応用展開について教育研究を行う。
動物機能学 ヒトを含む動物の生体恒常性維持システムの中で、脳と各末梢臓器を繋ぐ「自律神経」の機能に着目し、自律神経を介した脳?末梢臓器連関システムと食欲?エネルギー代謝?精神調節機能について教育研究を行う。
動物衛生学 動物(ダチョウ、ニワトリ、ウズラ、牛、豚、犬、猫)を対象として疾病の病理発生の解明やその診断法、防御法の開発を目的とする基礎的?実践的な動物?微生物バイオについての研究と教育を行う。また、病原性細菌のクォーラムセンシング機構阻害剤による多剤耐性菌の治療薬の開発や皮膚機能と皮膚常在菌との関係について教育研究を行う。
生命物質科学 機能分子合成化学 生命現象や環境に関わる生理活性物質や分子間相互作用の情報をもとに、有機合成化学的手法を用いて医薬品や診断薬また高機能性材料の新規開発、生命現象の解明などについて教育研究を行う。
機能分子設計化学 超分子科学を基盤としたナノ?バイオマテリアルの開発およびボトムアップ/トップダウンの融合による生命を意識した階層性分子集積システムの開発、電場局在?発光制御とその応用に関する教育研究を行う。
生命構造化学 生命科学研究における中心研究対象の一つであるタンパク質に関して、とくにタンパク質の構造形成や分子進化に着目し、構造?物性?機能?進化の関係を明らかにすること、さらにそれらの知見を活かした応用技術の開発を目的に教育?研究を行う。
生命物理化学 ポストゲノムとして重要な研究課題である、タンパク質をはじめとする生体分子の構造と機能との相関解明を目指す。特に分子の柔らかさに着目しながら、立体構造解析、熱力学解析、速度論解析などにより、生命現象の解明や新機能分子の創製に取り組む。
土壌化学 土壌の機能を化学的に解明し、その知見を土壌資源および地球環境の保全や持続的農業の確立に活用することを目的として、土壌の肥沃度と汚染リスクの評価や生物地球化学的な物質循環における土壌の役割等について教育研究を行う。
高次細胞機能化学 チャンネルタンパク質や酵素などの生体機能タンパク質がどのように細胞機能に寄与しているかを、タンパク質化学、酵素化学、物理化学、分子生物学的手法を用いて、分子レベルで研究する。さらに細胞レベルでの生物応答の機能制御機構、シグナルネットワーク機構について研究教育を行う。
微生物機能化学 自然界から有用な機能を持つ微生物を選び出し、その有用機能の開発?応用を目的に、好熱性細菌およびそれが生産する酵素タンパク質を中心に、さらには醸造用酵母などにもスポットをあて、生化学?分子生物学?構造生物学などの様々な手法を用いた研究?教育を行う。
材料設計学 高機能性を有する新規な物質?材料の創製に関する研究を有機?高分子化学、無機化学、量子化学の立場から行う。機能性高分子多孔質体の開発を基とする環境浄化材料、人工土、医用デバイス、生体情報認識媒体としての応用、リン酸塩の合成と機能性、応用に関する研究、計算化学手法を用いた酵素触媒や固体金属酸化物触媒に関する研究、などについての研究を推進する。

修士論文?修士制作?博士論文のテーマ例

<修士論文タイトル>
?後継者確保のための地域一体型営農における経営条件 -東広島市農事組合法人ファーム?おだを事例として-
?バラ科果樹における属間交雑親和性の調査とセイヨウナシ?ニホンナシの自殖F2集団で見られる雄性不稔性に関与するゲノム領域の解析
?マクロファージのケモカインを誘導する緑膿菌分泌物の解析
?結核菌感染マクロファージにおけるNon-canonical経路NF-κB p100の機能解析
?DNA切断依存性転写におけるヒストンアセチル化の役割の解明に向けた基盤構築
?イネ白葉枯病菌の推定cyclic di-GMP合成/分解因子XOO_3074はhrp遺伝子群の発現抑制に関与する
?転写因子FOXO1によるオルニチン脱炭酸酵素Odc1の発現制御メカニズムの解析
?ダチョウ抗体を用いた黄色ブドウ球菌誘発性皮膚炎に対する新規療法の開発
?フラクトオリゴ糖合成酵素の可能性を拡げる
?フラボノイドをシードとした抗ウイルス活性化合物の創製

<博士論文タイトル>
?骨格筋代謝および運動能力向上における抗酸化食品成分の介入効果に関する検討
?非アルコール性脂肪性肝疾患の食事療法確立に向けた患者の食行動に関する研究
?オキシム置換ニトリルオキシドとアルケンの立体選択的環化付加反応の開発
?動的マイクロ流体により実現する新規超分子システムの構築に関する研究

トピックス

所属足球比分_足球即时比分-百度百科&の学会賞等(2022年度?)(受賞演題名、学会名、年度等)

?満開期における植物成長調整剤処理の違いがブドウ‘シャインマスカット’の成熟期の果粒物性および細胞壁構成成分に及ぼす影響,園芸学会賞年間優秀論文賞,2023.
?イネ白葉枯病菌のグローバル転写制御因子Clpは病原力に関与するセロビオシダーゼ遺伝子cbsAの発現を正/負に制御する,足球比分_足球即时比分-百度百科&5年度日本植物病理学会大会,学生優秀発表賞,2023
?腸ホルモンGLP-1の感覚神経?脳?副腎交感神経反射を介したアドレナリン分泌促進による体熱産生作用,第76回日本栄養?食糧学会大会,トピックス賞および学生優秀発表賞,2022
?食事性GABAによる食後求心性迷走神経活性化増強を介した満腹感増強作用,第61回日本栄養?食糧学会近畿支部大会,若手奨励賞,2022
?腸ホルモンGLP-1と膵ホルモンインスリンの協働的な迷走神経肝臓枝求心路の活性化は全身インスリン作用を増強させる,第12回4大学連携研究フォーラム,最優秀発表賞,2022
?飢餓時の「筋肝連関」を介した脂肪肝の調節機構の解析,日本アミノ酸学会第16回学術大会,優秀ポスター賞,2022
?Analysis of muscle atrophy inhibiting mechanisms by compounds that suppress transcriptional activity of FOXO1, The 22nd International Congress of Nutrition (ICN), Young Investigator Excellent Abstract Award, 2022
?Analysis of the mechanism of muscle fiber type determination in muscle satellite cells, The 22nd International Congress of Nutrition (ICN), Young Investigator Excellent Abstract Award, 2022
?Release of intestinal hormone GLP-1 by D-allulose ameliorates hyperglycemia through gut - vagal afferent nerves - brain axis, The 8th International Symposium of International Society of Rare Sugars (Rare Sugar Congress 2023, Takamatsu Kagawa), Excellent poster award, 2023.
?HSbody, a heat sterilizable antibody‐mimetic –加熱殺菌可能な新規抗体模倣分子の創生-,日本農芸化学会関西支部第520回講演会,優秀発表賞,および 超異分野学会 大阪大会2022,大阪大会賞
?シロイヌナズナ由来Mg2+輸送タンパク質AtMRS2-4のMg2+輸送能とAl輸送に対するGMN保存配列の機能的寄与の解析,日本生物高分子学会2022年度大会,優秀発表賞
?セラミック廃材および花崗閃緑岩サプロライトの鉱物組成とK放出能,日本ペドロジー学会2022年度大会,ポスター賞
?土壌-作物系への岩石散布に伴う風化促進による炭素隔離および作物生育のCo-benefitの検証,日本土壌肥料学会2022年度大会,若手口頭発表優秀賞
?多種ヘテロ原子含有 Push-Pull 型蛍光色素の合成,第72回日本薬学会関西支部大会,優秀発表賞
?速度論的な共会合を鍵とした?活性超分?の創製とその階層化,?本化学会第 12 回 CSJ 化学フェスタ 2022,優秀ポスター発表賞
?マイクロ流体が持つ直線運動エネルギーを利?する精密超分?重合,?本化学会第 12 回 CSJ 化学フェスタ 2022,優秀ポスター発表賞
?フラクトオリゴ糖合成酵素の基質特異性の改変,日本農芸化学会関西支部第523回講演会,優秀発表賞
?水田土壌の可給態Siに及ぼすイネの部位別植物ケイ酸体の影響の解明,2022年度日本土壌肥料学会関西支部講演会,若手優秀発表賞
?Synthesis and Characterization of Binaphthyl Derivatives with Two Phenylethynyl Groups,International CPL and CPEL Conference 2023 in Osaka, JAPAN,Best Presentation Award

卒業後の主な進路?取得できる資格

  • 食品、医薬品、化学、機械、繊維、その他の製造業の研究者?技術者
  • 学校、病院、その他事業所の管理栄養士
  • 国家公務員、地方公務員
  • 教員(栄養教諭?中学校?高等学校?大学等)
取得できる資格 教育職員専修免許状:中学校教諭専修免許状(理科)、高等学校教諭専修免許状(農業、理科)、栄養教諭専修免許状